マリアリは本当にジャスティスだった・・・・・！！

きちんとした感想を書こうと思っていたけれども、「動画の公開は２月末までとします」というUP主さんのコメントを見て悠長に駄文をひねってる場合じゃないと考え、とりいそぎここにこの動画を紹介させていただきます。作者様へ最大の敬意と感謝と愛を込めて！

ニコニコ動画はアマチュアが輝ける場所を提供してくれた。それはもしかしたら一過性の出来事に終わるのかもしれない。来年、再来年にはもっと違う表現の場所、形態が勃興して「にこにこー？　あーあったねえ」なんて言ってるのかもしれない。ブームや時の勢いは衰退するのが運命なのかもしれないけれど、それでもニコニコ動画がこの動画を育んだという功績はもう変えようもない事実だ。なんか吹き上がった文体になってますね。でもなんだろう、この動画の成立自体が私には「小さな奇跡のドラマ」っぽく感じられて、その奇跡の場に立ち会えたことを大声で吹聴したくなってしまったという次第で。

どんな内容の動画なのかと端的に説明すれば「東方で百合」（詳しく言うなら東方プロジェクトという同人ゲームに出てくる女の子たちを二次使用したレズ恋愛ストーリー動画とでもいっときゃいいんでしょうか）。しかし本質的なところを言うなら、これは「ウェルメイドなラブコメディ」というのが一番正しいんだと思います。この「ウェルメイド」というのがなんというか、日本人作家が一番苦手としてる分野なんじゃないかって考えたりしてるので（私は寡聞にしてこれで成功してるのを三谷幸喜しか知らないのです）かなりの珍種動画であることは保証できます。

うp主は大学生のようですが、海外ドラマにどっぷり浸かった人なんじゃないのかなあと想像してます。BGMの選曲も洋物ドラマのセンスだしね。ニコニコの「手書きストーリー動画」というと漫画のコマのように描かれた静止画を一枚一枚映していく紙芝居方式がほとんどなのですがなぜかそちらの洗礼は受けず、固定されたカメラの画面の中でキャラクターに演技させるというドラマや映画的な手法をとってるのがまず珍しい作品です。これが他の動画にはない独特な雰囲気を醸し出していてすごくひきつけられるのです。

そしておぼつかないマウス絵。稚拙と言ってしまえばそれまでだけど、これが不思議と見続けていると癖になる。最終的にはこの絵じゃなきゃ駄目だ！と思えてくるんです、本当に。このほんわか上品なラブコメにはくどい萌え絵は逆効果。この隙がありまくりの絵だからこそ「アリスは本当に可愛いなあ」と気持ちが入ってしまうんです。「１ピクセルの魔術師」とかタグをつけられていたけど、眉の動き、口の端の微妙な上下でキャラの感情を表現する度胸は素人さんだからこそできる仕事だなとも思いました。これが商業作品ならもっとわかりやすく、オーバーな表現をとると思うんですよね。それをしないで泰然としていられるのは、解ってくれる人だけが見ててくれればいいやという割り切りなのでしょう。もしくは、視聴者を信じてくれてるんだろうなと。キャラクターはコピペでいいや、って放り出したうp主の判断にも拍手を送りたい。そうでなきゃ５時間の動画なんかつくってらんなかったでしょうからね。

そう、５時間。全部見るとこれ５時間もあるんです。「動画作成は初めてです」って人が作った動画が、このボリューム。（プロローグと、一期、二期という章立てはあるものの。）好きだという気持ちって凄い。若さって凄い。「五時間も素人丸出しの動画みてられっかよ」って思うでしょ。そんなふうに考えていた時期が私にもありました。これねー、私通しで３回ぐらい見た。１５時間ぐらい見てる。作者のおまけ動画までみてるからもしかしたら２０時間ぐらいみてるかもね！

なにより見終わった後に「あー楽しかった！」ってただただ幸せな気持ちになれるところが素晴らしい！　ウェルメイドかくあるべしという見本のような物語です。あまーくて恥ずかしいラブコメが好きな人には絶対お薦め。二期最終話のコメントだけみると「どこの新興宗教の会場だ？？」ってくらいこの動画とうP主を誉め讃えるコメントがつきまくってて、普通ならキモイもの見たーって思っただろうけどこれに関してはしょうがない。それはしょうがない。いいもの見せてもらったものなあ！と納得しました。

取り急ぎのつもりがやはり長くなってしまった。この動画は「みんなでにやにやする」のも楽しさの大きい部分を占めていたと思うので、ニコニコでコメントを横目で見ながら観るのが一番面白いと思うんです。なので是非、公開が終了する前にご覧になってみてください。あと雀は「レミ咲が俺のキューティクル」です。ていうかさくやさんが好きです。「ニートなてるよ」ネタも「変態なアリス」ネタ（鉄板ネタ）も使わないうp主もさくやさん＝パッドなんですね。・・・・・許せるッ!!